代表鈴木孝枝のコラム 「思いのない価格交渉は信頼が築けない」  2014/4/17

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2014年4月の消費税増税に伴い、

各企業は本質的なコスト構造の

見直しが必須になってきています。

早くも次期の再増税を見据えて、

この際、本当に必要なもの

をじっくりと選別する

クライアントも増えてきました。

特に我が社のように

「人に対するサービス」を扱っている会社は、

その価値をどのように見える化させるのか

について常に頭を使っています。

私自身はやはり現場が大好きなので、

実際にお会いして、

経営者は本当はどう思っているのか、

現場の担当者はどうしたいのか、

を直接の対話を通して、

思考のすり合わせをするのが一番ポイントである、

というのが正直なところです。

さて、コストの見直し、というテーマで

よく話しに出てくるのは「価格交渉」。

経営者の方も多くの方が

「お金の話しが苦手。。。」と仰います。

今まで様々なクライアントとの

価格交渉の場を振り返ってみると、

大きく3パターンのお客さまに出会います。

1.「うち、予算ないんですよ。

  もしよければこの金額でやってもらえないですか?」




2.「価格は出来るだけ押さえるように上から言われてて。

   この資料、いらないんで●万円、値引きできますか?」


3.「価格決めはお互いに納得いくまで話しましょう。

   大切なのは内容と成果です」

きっと、価格交渉を担当する人は

ご自身でも「言う」し、「言われる」内容。

よくある話しですよね。

ご存知の通り、事業には波があり、

経営者は常に先を見ながら足元を見ながら経営しますが、

その時々によって、この3パターンがとっかえひっかえ出現します。

交渉は大切。

ただ、その言葉を発する人の「下心」的なものが見えた瞬間、

相手からの信頼を損ねてしまうのではないでしょうか。

ある企業の研修担当者から、

少し困り顔でこう言われたことがあります。

「内容は凄く良いんですが、予算がね、ないんですよね~。

僕、予算取れなくて。で、御社の方で何とかならないですかね?」

何とかするのはこちら・・・というあからさまな振りに

本当に我が社のサービスを求めているのか、

どこでもいいから、とりあえずやってほしいのか、

正直「?」が飛びます。

正直、単純にコスト削減のみをターゲットに交渉されるのが相手に伝われば、

相手側はそれなりの対応になるでしょうし

「単純にコスト削減対象としか見ていない」という判断になります。

実は、この言葉の出方、

経営者視点を持っているか、

持っていないかで差が歴然と表れます。

事業とは何か、経営視点とは何か。

これを知っている方であればどのような交渉であっても

話しがまとまりやすいのですが、

目の前の自分の小さな達成を重視するばかり、

コミュニケーションロスし、

長期で見ればよい信頼関係を構築し

損なうケースをいくつか見てきました。 

これからの時代、

社外の専門性を持った人の力を上手に利用し、

自分が成すべき仕事を進めていく

「チームメイキング力」「リーダーシップ」が

誰にでも必要とされています。

特に利益に直結する価格交渉と、

ビジネスの立場を構築するコミュニケーションは

組織のリーダーにとって身につけるべき必須のスキルでしょう。

先ほどの事例ですが、

同じようなお話をこのような言葉でお話しになられた方もいます。

「予算がないけれど、どうしても今、この時期に対策をしたい。

だから、年間トータルで費用計算を一緒にしてほしい。」 

こう言われれば、何か良い智恵や方法がないかを

一緒に考える心や体制が出来てきます。

私自身、同じクライアントと長く良い関係性を続けるには、

時に、ぶつかることもいとわずに面と向かって

きちんと話せるかが肝要だと思っています。

そして、自分と相手の思いの共通点や、使っている言葉が

お互いの信頼関係を長く続けるに

値するかを見極められるかに掛かっているように思います。

新規顧客開拓や、新事業に伴い新たな出会いが増えるこの時期。

もしかして、今日出会う人が長いお付き合いになるかもしれません。

一期一会。

ビジネス上で川上、川下があるのは当然ながら、

クライアントとタッグが組める関係性を創るには、

自分の仕事は一体何を成果として出せばよいのかを

本質的に見極める必要があるようです。

仕事をスポットで終わらせず、自分らしく仕事をするためにも、

どちらか一方的なパワーゲームにならないよう、

上手なコミュニケーションを取ることから始めてみてください。

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