代表鈴木孝枝のコラム 「現場と人事と経営のコミュニケーションはとれているか」 | 2014/7/17 |
人事、と聞くと「秘密の部署」のイメージが強いのではないでしょうか。
人事業務は、採用、人財育成、評価、制度設計、メンタルヘルス、ペイロール等 様々ありますが、
人事のやっていることがよく見える仕事で、 且つ経営と現場の距離感がよく現れるのが、「研修」です。
経営者は「売上を上げる人財が欲しい」と思っても、
現場は「連続して起こるメンタルヘルス問題をなんとかしてほしい」と思っているかも知れません。
人事はこの両方の間に立って、ニーズと会社の進むべき方向性をすり合わせながら
人材育成をしていくのが理想です。
しかし、多くの企業は「新人研修」にはじまり「階級別研修」、「年次研修」のスタイルを
プログラムそのままで踏襲しているのが多くみられます。
例えば新人教育を例にとって考えてみましょう。
ほとんどのプログラムには、「ホウレンソウ」「電話の取り方」「名刺交換」は
三種の神器のように 必ずおりこまれています。
でも、今のあなたの会社にとって必要な新人教育は
昔ながらの「ビジネスマナー」や「基礎教育」だけでしょうか?
「教育」という点でとらえると、
現場がやってほしい事前教育は、 電話の取り方や名刺交換が抜群に上手い新人よりも、
コミュニケーションの取り方や、レポート作成などのポイントが
ズバリ!的を得ている新人を育てるものの方がしっくりくるかもしれません。
すなわち、今は即戦力的な部分と、多様性に適応する柔軟性が求められているのです。
ところで最近、タレントマネジメントというキーワードが脚光を浴びています。
ご存知ですか?
タレントマネジメントとは、 『従業員が持つタレント(英語で「能力・資質・才能を意味する)や
スキル、 経験値などの情報を人事管理の一部として一元管理することによって
組織横断的に戦略的な人事配置や人材開発を行うことをいいます。』
参考;『HRプロ』https://www.hrpro.co.jp/glossary_detail.php?id=17より
この考え方は、研修プログラムを考える上でも大切なフィルターになります。
その会社、その部署などが求める、
即戦力且つ個人の能力を活かした取り組みを 戦略的に行うことで、
これに合わせて研修内容も「個」の能力を伸ばす、 見極めるものになるからです。
「そんなこと言ったって、研修ってどうやって選べばいいかわかりません・・・」
という声が聞こえてきそうです。
そこで「会社が育てたい人財育成」研修プログラムを選ぶ際に
簡単なポイントが3つがありますのでお伝えしますね。
1.一番売上が上がっている部署の部長と課長に、
5年後に売り上げを10倍にすると仮定して頂き、どんな人材が欲しいかヒアリングする
2.5年後の会社の階層別人員構成をピラミッドで表してみる
3.パッケージ研修か、カスタマイズ研修か、トップ層の好みを確認する
この組み合わせをヒントにしてみてください。
研修選定と聞くと、「面倒くさいな」と思われがちですが、実は研修は会社の投資。
研修担当者であれば「自分の思いを具現化する」チャンスです。
是非、人事のあるべき論に寄らず、よく経営者と現場の声を聞き、
会社の未来に向けた事業戦略と人事ニーズを合致させてみてくださいね。
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