代表・鈴木孝枝のコラム 「モラハラとブラックな働き方の相関関係」 |
2015/2/19 |
ハラスメントも色々ありますが、最近クローズアップされているのは、モラルハラスメント。
ある芸能人の離婚騒動で一躍注目を浴びた言葉ですが、
・聞こえるように大きなため息をつき、目線を合わせない
・あからさまに自分に向って腹を立てているのがわかるかのように
机をたたいて大きな音を立てるが口では何も言わない
・「あなたのためを思って言ってるのに何で出来ないのだろう」と悲しむ
などなど、受け手側が「私が悪いことをしたのかも・・・」と、
過剰な程に自らを否定させるような精神的な虐待を感じさせることを総じて指しています。
パワハラ、セクハラ、といったある意味、外から見ていてNGが分かりやすいものとは違い、
本人にとって精神的に効くダメージを与えるものなので、より陰湿であると言えるものでしょう。
この、モラルハラスメント。
一般的には、家庭内での夫婦問題や親・兄弟間で起きるトラブルが主のようですが、
考えてみれば、一日の中で大半を占める就業時間の中でも、似たようなことが起きていると思います。
残業強要などの法的な問題が指摘されるべき部分はお役所に任せるとしても、
モラル=倫理・道徳的に考えて、人間として人に対して取るべき姿勢ではない場合が
多かれ少なかれあるのではないかと思うのです。
誰でも、雑な扱いを受けたり、必要とされなかったり、存在価値否定をされれば、
気分を害します。
この時期さえ過ぎれば・・・
この人さえ異動になれば・・・
この仕事から離れれば・・・
そう、気づけば、自らブラックな環境に身を置くことを許し、
働き続けるようにセットアップしてしまう人が多くいるのです。
我慢が効くのは、その人のメンタル力次第。
モラハラが日常となれば、自信をなくし、判断力を失い、
常にだれかにお伺いを立てなければ動けなくなり、自分で判断が出来なくなるようになっていきます。
そうなってからでは、巻き返しも大変です。
そして、このモラハラは上下、横、関係なく起こりうるものです。
パワハラはトップダウンが主ですが、モラハラは360度です。
しかも、いつの間にか自分が加害者になっている可能性も否定できません。
そこで、自らをブラックな環境に置かないようにするために、
私なりに考えた小さなステップが3つあります。
1.自分が「ドキッとした」と感じた恐怖の瞬間を流さないようにする
→うわ、怖いという感情を相手に持ったら、次から警戒が始まります。
相手の顔を見るたびに嫌な気持ちを持ち続けるならば、「何が怖いのか」言えるように言語化しておきましょう。
2.攻撃的になる自分がいたら、一旦その場を離れてトイレで手を洗う
→その場を離れる、というのが大切。
手を洗うというのは、自分を冷静にさせるための時間と思ってください。
まだ、イライラするようならば、もう一度「何を改善してほしいのか」事実を発見するまで自問自答を。
3.日ごろ、ついやってしまう言葉・態度を正しくする
→感情をつくる3つの要素があるのですが、そのうちの2つは態度と言葉。
威圧的な態度と言葉。自分を自分で否定するような態度と言葉。
両方が揃うと力を増して「感情」を生み出します。
今、あなたの顔は笑ってますか、使っている言葉は優しいですか?
モラハラという言葉、裏を返せばどうも人間力を問われているように思います。
相手に合わせるだけでなく、自分をしっかり律する(自律)。
ブラックな働き方から抜け出すための、大切な気づきではないでしょうか。
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