ある一定のレベルを超え、
ピラミッドの一番上にいるだろう「第一人者」と呼ばれる人は
もう誰かに学ぶ必要はない、と思いこんでいませんか?
私はこの数年、様々な人を見てきて、
一つの事業や業界で長く続く経営者やプロフェッショナルに
共通している1つのセオリーがあることに気づきました。
それは「研究し続ける・向上し続ける」気持ちがあること。
何歳になっても「教えてください」という姿勢が
行動に、態度になって表れていらっしゃるかたが圧倒的に
多いのです。
皆さんは、バイオリニストの葉加瀬太郎さんをご存知ですか?
彼は、20代のころにデビューし、
セリーヌディオンのワールドツアーに同行、
情熱大陸やエトピリカといった代表作を次々に
世の中に送り出し、ご自身でもワールドツアーを
成功させたばかりの、「日本のバイオリニストの第一人者」です。
その葉加瀬さんが、
テレビで、こんな感じのお話しをされていました。
「自分の弾き方でかなりやってきたけれど、
僕のはアクションが大きかったり、魅せる弾き方で、
演奏には(本当のところは)関係ない(笑)
自分なりの弾き方を続けていると
正しい弾き方を忘れてきてしまうので
もう一度レッスンをつけてもらってるんです」
どんなにトップを極めていても、研究し、向上しようと
するチャレンジを忘れていないんだなぁと感じたエピソードです。
しかも、彼は、
現在、ご自身のひと回りも年下の女性から
「バイオリン」の弾き方をレッスンしてもらっているそうです。
彼女はもともと葉加瀬さんの娘さんの先生なのですが、
正しい引き方を忘れ始めてしまったため、
もう一度、先生について学ぼうと思ったそうです。
その決め手は「教え方がとても上手だったから」。
ややもすると「トップクラスは更なる巨匠について学ぶ」
というようなピラミッド構造を頭に浮かべたり、
年齢差というプライドが邪魔をしそうですが、
自分に必要なものをもっている方をみつけたら、
それが年下であっても学ぼうという姿勢、
とても、素晴らしいですよね。
そして、私が何よりも、凄いなぁと思ったのは、
「いま、ワールドツアーがあって忙しいから」
「いま、新曲作っていて忙しいから」
と、きっと誰よりもスケジュールはパンパンで
あるだろう、葉加瀬さんがその練習時間を
先延ばしにせず、「今」取り組んでいらっしゃること。
自分流である程度までやってこれた人には、
きっと「同じ所をぐるぐる回っている感覚」がやってきます。
葉加瀬さんの事例から学び、
研究し続ける・向上し続けるために
必要なポイントは3つです。
1.自分のスキルやノウハウの中で
「ん?!なおざりになってきた?」と気づけるアンテナを磨くこと
2.何歳であっても学びたい、という人に師事すること
3.研究・向上するのは「今」がスタートに最もよいタイミングだと自覚すること
さて、あなたは何を研究し、向上し続けますか?