あなたは、自分のポリシーと合わない人と

出会った時、どんな対応をしますか?

 

あるビジネス交流会にお誘いいただいて、初めて参加した時のこと。

そこには、起業家、経営者、個人事業主、フリーランスの方々が

30名近く参加されていました。

 

司会者の方が「今から、名刺交換タイムでーす!!!」

と、元気よく号令。

(おいおい、名刺もタダじゃないんだぜ~!)

と心の中で思いつつ、

その会のパワフルさに、なんとなーくついていけず、

「間違ってしまったわ、私」と壁の花になりつつあった時のこと。

 

 

 

そこに、ITのシステム構築を請け負う会社を経営して

いらっしゃる60代であろう、男性で背が高く、仕立ての良い背広を着て、
恰幅良く、早口な社長に

お声をかけていただきました。

 

「人事を中心としたしくみ作りのご支援をしております」

と自己紹介したところ、

 

「ふーん、人事ね。正直、ウチも困ってますよ。

仕事がとれなくなってきて、皆営業しないといけないのに、

メンタルになる奴もいるし、そういう奴に限って権利を主張して

休職するでしょ。正直、給料泥棒なんだよ。

あのさー、社員の給料を下げる方法あったら教えてくれない?」

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周りに、沢山の経営者がいる中で、

心の内を初対面の私に話すほど、状況がひっ迫しているのか

と思ったのと同時に、

きっと、「人事」や「しくみ」の本質までは考えずにここまで

来られてしまったのだな、 と感じました。

 

こういう言葉をお使いになる経営者には大体、共通の理由があります。

 

1.人を雇う、ということを、「安易」に考え過ぎている。

2.事業の浮き沈みと人員計画を「合わせて」考えていない。

3.給料を下げれば会社が生き残れると「信じている」。

 

なぜ、メンタルヘルスがでているのか、

なぜ、売り上げが下がっているのか、

社長の頭の中は、本当の原因が見えていないのです。

 

そこで、社長にこうお話ししました。

「そうですよね。

この不況下、誰もが大変な状況ですし、

解雇が簡単に出来ない日本の制度も厳しいと思います。

 

北欧は、解雇が比較的、楽なのと、

再雇用のしくみが国全体で幾重にもセーフティネットが

貼られているので、社長一人で

問題に悩みを抱え続けなければならないことは

あまりないのですが…ここは日本ですし。

 

確かに、簡単に給料を下げられたら、

楽ですよね。

 

でしたら、今すぐに、数字を確保するなら、

役員報酬から一気に下げて、

社員の労働環境を見直し、

報酬制度を改定し、

従業員が寝る間も惜しんで

働きたくてたまらない

事業計画を打ち出すのがいいかもしれないですね。

どちらか一方ではなく、両方同時です。

トップが「使ってやってる」と思っていると

相手にもそれが伝わりますから、

「働いてやってる」と思われていないといいですね」

 

「・・・なるほどね、やはり、時間がかかるということか」

 

社長のお悩みが解決したかどうかはわかりませんが、

私のお話しを途中、憤りすら感じながら聴いて下さった

社長の声が、

段々と落ち着いていかれるのを

感じました。

 

正直、人の事、しくみをつくる上で、

こうやれば必ず成功する、ということはありません。

なぜならば、かかわる人も、経営状況も、環境も、

全て異なるからです。

 

一方、回り道せずに、早くゴールにたどり着ける

方法をつくりだす、ということはあります。

 

私自身、様々な経営者にお会いして、

人の事をただのコマ程度にしか思っていない方とは

一切お仕事をしないことにしています。

 

会社は人でできています。

事業は、経会営者の思いや志で成長します。

 

私の立場はあくまで中庸を貫きます。

 

今までのやり方だけでは、上手くいかないときに、

客観的な視点を得ることも、時には大切、

そう、自戒もこめて気づけた出来事でした。

 

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