自分の後続を、「この人!」と決めて、

上手に事業承継が出来なかった経験がある、

という人、正直に手をあげていただけますか?

 

私の師匠であり、その道の巨匠である、S先生は、

学校で数万人に上る人を教え、

事業でそのノウハウを技術提供するインストラクターを養成し、

ご自身でも沢山のご著書を発行されている、

いわば、その道の重鎮です。

 

その先生がふと私に仰った一言があります。

「自分の培ってきた、ノウハウや知識は正直ものすごく沢山あるけれど、

それを墓場までは持っていけない。

周りの人に言われます。

「口のない樽に担ってはいけない」と。

象牙の塔にこもっていてはいけないと。」

 

世間的には、肩書きも、事業的成功を収めていらっしゃる先生。

ノウハウの伝道者を作っていらした先生。

 

それでも、まだ伝え足りないモノがあるのだ、

とお伺いしていて、愕然とした記憶があります。

 

それと同時に、受けつぐ人が1人では間に合わない。

すぐにでも、そのノウハウと志を受け継ぐようなしくみを

作ることで、「口のない樽」から、智恵を注ぎたいと思っている

ご支援が出来ないか?」と考えました。

 

実はこの小さな気づきは、先般から出てくる斎藤さんの

悩みにも直結します。

 

それは「どうやって伝承していけばよいのか?」

 

そこで、私なりに答えを出してみました。

 

そして、お伝えしたのがこの3つです。

 

1.自分の後継者を一人に絞らないこと

2.後継者が途中で学びを止めてしまっても
大丈夫なしくみ作りをすること

3.後継者が守りに徹し、攻めに転じない姿勢を壊すこと

 

すなわち、伝承=一人に伝える、という一子相伝、

免許制度ではなく、

その志に共感し、感動して集まった人たちの個性に合わせて

思いをつなぎ合わせることから

スタートすべきなのです。

 

このしくみを「一子相伝」のみにかけていた先生に

正直に課題と解決策をお伝えしました。

「孝枝さん、仰る通りですね。

3年かけて次の後継者を育てるほど、

自分には時間がありません。

そして、彼らがみるであろう壁に対して、

質疑応答を出来る時間も限られます。

 

伝承とは、「教えたい相手」「学びたい師」

の両方の意思が整うことが先かもしれません。

 

その先生は、徒弟制度だけではなく、

現在は、広く門戸をひろげて、「志の後継者」を

育成しようとしていらっしゃいます。

 

 

やり方が違う。

望んだ方向性が違う。

 

ならば、変えてみませんか?

 

きっとあなたらしく後継者に引き継ぐヒントは、しくみ作りのプロセスと、

人育てのプロセスに隠れているはずです。

 

 

Genetic common ancestry concept for evolution of primates

 

 

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